ごあいさつ

近年の経済危機、大災害を経て、東京でのオリンピック開催が決まりました。激変する現代においてクリエイティブの役割がシビアに問われています。
尋常ではないコストダウンの条件を突きつけられながらも、高水準の結果を求められることが当たり前になりました。
単に「高等な技術を維持してさえいれば安泰」という時代は過ぎ去ったようです。変化が更に加速していくであろう時代を生きていく若者にとって、柔軟な発想と骨太な技術を身につけることが、たくましく生きていく上でのひとつの鍵となるでしょう。

私は広告業界の中でフォトグラファー兼クリエイティブディレクターとして活動していますが「クライアントの目的を叶える広告写真家」を目指し、評価されてきました。例えば、商品を多く売る。企業やブランドの戦略に合わせてイメージを構築する手助けをする。商品を手に取ったように説明できる写真を撮る、他社(他者)との差別化を図る。等々。そういった数々の企業の要望に応えてきた実績があります。

また、25年のキャリアの中で、多くのフォトグラファーを輩出してきましたが、彼らは私と同じ道を辿るのではなく、様々なジャンルで活躍しています。
私は自身の写真表現に対しての強い拘りはありますが、「写真は一様にはこうあるべきだ」という思いはなく、各自の望む方向性を尊重し、プロフェッショナルとして社会の中で活躍できるように指導してきました。
現在はコマーシャルやエディトリアルの仕事と並行してアーティストとしての活動も行っていますが、自分のスタッフを教育する以外に、企業や個人の要望に応じて写真の講習会を行ってきています。
ベテランカメラマンへの技術提供、「フォトライブラリーに写真を売りたい」というアマチュアカメラマンへの個別指導、アート活動を目指すクリエイターへの協力支援、そして写真を「素材」として扱う若手グラフィックデザイナーのための実践的な写真講座の開催など、育成にも力を入れてきました。

写真やアートは職業にするには険しい道かもしれません。ですが不安定な現代においては、どんな職種にも言える事でしょう。 私の授業では「写真」をベースに、技術の指導と共に第一線で活動している生の声を伝えていきます。その中から受講者の皆さんが、楽しく明るい将来を切り開くためのヒントを掴んで頂けると幸いです。

2013年 高崎勉


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